カスタムワークフローで GitHub Pages デプロイが可能に
GitHub Pages は専用のブランチか docs
などのターゲットディレクトリを指定して公開する方式です。したがって、SSG(Static Site Generator) を使う場合、ソースコードだけでなくビルド成果物もリポジトリ管理する必要がありました。7月に GitHub Actions ワークフローによるデプロイがベータ版として利用可能になりました。
GitHub Pages: Custom GitHub Actions Workflows (beta) | GitHub Changelog
これにより、ビルド成果物をリポジトリ管理せずに、リポジトリの更新をトリガーに GitHub Pages を更新できるようになります。
カスタムワークフローによる GitHub Pages が GA になりました。
GitHub Pages with Custom GitHub Actions Workflows are now generally available
リポジトリの GitHub Pages の設定で Build and deployment セクションの Source
を見ると、GitHub Actions (beta) が選択できるようになっています。
GitHub Actions を選択すると Jekyll を使ったワークフローと、Static HTML のワークフローがサジェストされます。
Jekyll のワークフローを修正して使えばよさそうということで、GitHub Pages Jekyll
の Configure
をクリック。ワークフローの編集画面になるので、これをベースに作業をしていきます。
以下のようなワークフローを書きました。Jekyll ではなく、先日紹介した Astro でビルドしています。
name: Deploy GitHub Pages with Astro
on:
push:
branches: ["main"]
workflow_dispatch:
permissions:
contents: read
pages: write
id-token: write
concurrency:
group: "pages"
cancel-in-progress: true
jobs:
build:
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- name: Checkout
uses: actions/checkout@v3
- name: Setup Pages
uses: actions/configure-pages@v2
- name: Use Node.js 16
uses: actions/setup-node@v2
with:
node-version: 16
- name: Install dependencies
run: npm install
- name: Build Astro
run: npm run build
- name: Upload artifact
uses: actions/upload-pages-artifact@v1
with:
path: dist/
deploy:
environment:
name: github-pages
url: ${{ steps.deployment.outputs.page_url }}
runs-on: ubuntu-latest
needs: build
steps:
- name: Deploy to GitHub Pages
id: deployment
uses: actions/deploy-pages@v1
ポイントとしては、permission
の contents: read
でリポジトリの読み取りを pages: write
Pages への書き込みを許可しています。id-token:write
の部分は、GitHub Pages をデプロイするインフラに対して OIDC 認証するために必要なのではないかと推測しています。
ジョブはシーケンシャルに実行される2つのジョブ(build と deploy)を定義して、build ジョブの最後に、Astro でビルドした静的サイト用の成果物を upload-pages-artifact でアップロードしています[1]。Astro のデフォルトでは、dist
配下に成果物を出力しますので、with/path
で指定しました。後続の deploy ジョブは、deploy-pages アクションを使用します。このアクションは、先行ジョブの成果物をダウンロードして、デプロイを実行します[2]。
このように、GitHub Pages 専用のアクションを組み合わせてワークフローを作成することで、GitHub 側で Pages の構築をやってくれます。
ワークフローを実行して成功するとサマリーページに build ジョブの成果物が表示され、deploy ジョブには、デプロイ先の URL が表示されます。
リポジトリのトップページの Environments セクションでも Pages が作成されていることが表示されます。
以上、Git Hub Actions のカスタムワークフローによる GitHub Pages デプロイを試しました。これまで GitHub Pages はちょっと特殊なブランチ管理が必要でしたが、この機能が正式公開されれば、Netlify や Cloudflare Pages とまではいきませんが、かなり使い勝手が向上すると言えるでしょう。特に Enterprise アカウントで Private な GitHub Pages をメンテナンスしているプロジェクトでは喜ばれそうです。