新米スクラムマスターの思考メモ(その4 DailyScrum編)
はじめに
#「新米スクラムマスターの思考メモ」の4回目の記事です。これまでの記事は以下の通りです。
- 新米スクラムマスターの思考メモ(その1 スクラムマスターになるまで)
- 新米スクラムマスターの思考メモ(その2 Retrospective編)
- 新米スクラムマスターの思考メモ(その3 Sprint Planning編)
今回の記事では、DailyScrumではどのようなことを感じ、行動したかについてまとめてみたいと思います。
DailyScrumについて取り組んでいること・感じたこと
#個人的にはスクラムイベントの中で最も難しい
#個人的にはDailyScrumがスクラムイベントの中で最も難しいイベントだと感じています。実際、DailyScrumを効果的に実施できているという手ごたえはありませんでした。その理由としては、短時間で毎日繰り返すイベントのためイベント自体が形骸化しやすいと感じたためです。しかし、同時に形骸化だけではDailyScrumの難しさを説明しきれないとも思っていて、自分の中でもなぜDailyScrumが難しいのかピンと来ておらず、悶々としていました。
その答えは、社内での勉強会で得ることができました。「DailyScrumは短時間の中でスクラムの透明化、検査、適応のすべてを実施する必要があるから」。この言葉を聞いたとき、自分なりにDailyScrumの難しさの理由を掴めたような気がします。
一般的にDailyScrumは短いイベントです。この短い時間の中で、前日の作業内容の共有と本日の作業予定、現在抱えている問題、その問題点へどのようにアプローチするのか、といったことをすべて取り上げなければなりません。
短時間のなかで透明化、検査、適応のすべてを実施できず、消化不良感があったためDailyScrumが効果的に実践できていなかったのだと思います。
実施タイミングによってDailyScrumの進め方をアレンジする
#短時間の中でスクラムの透明化、検査、適応のすべてを実施する必要があるとはいいつつも、個人的な意見となりますがタイミングによって何を重要視するかを変えた方がよいかなと思っています。タイミングとは、具体的にはスプリントの前半、中盤、後半のどのタイミングで実施されるDailyScrumかということです。イベントの形骸化を防ぐ意味でも、DailyScrumを毎日まったく同じフォーマットで回すのは得策ではないと思います。
実際、以下のような感じでDailyScrumを回すようにしてみました(正直なところ意識はしていましたが、実践できていたかどうかは怪しいです…)。
社内プロジェクトでは、スケジュールの都合上、火曜の夕方にSprintPlanningを実施し、スプリント初回のDailyScrumは翌日水曜日に行っています。
スプリント前半(≒初日)
スプリント初日については、実質Sprint Planningを終えた段階のためほとんど作業が進んでいない状況です。そのため、当日の予定とスプリントゴールを確認し、スプリント全体を円滑に進めるため前日のRetrospectiveで決定したTryや、新たに採用した行動規範を再度強調するという形で進めています。
スプリント中盤
この時期は、特に検査、適応を重視します。これまでの進捗状況をバーンダウンチャートで確認し、スプリントゴールを達成できるかどうかを検査します。もし、スプリントゴールの達成が難しそうな場合、どのようなアクションを起こす必要があるかを投げかけます。
スプリント後半(≒最終日)
スプリント最終日は、スクラムイベント(SprintReview、Retrospective、Sprint Planning)が盛りだくさんで、リリース作業もあるため開発作業を実施する時間がありません。そのため、前日の作業状況とスプリントゴールの達成状況を確認し、「この部分はRetrospectiveで振り返りましょう」という形でRetrospectiveの頭出しを行います。
「スクラムの教育」として考えると良い題材
#これまで述べてきた通り、DailyScrumは難しいイベントだと思います。しかし、「スクラムの3本柱の定着」という教育の題材として見た場合、スクラムの3本柱の要素すべてが凝縮されていますので、DailyScrumは最も良いイベントだと思います。
その一環として、DailyScrumのファシリテーションを新人に移譲しました(元々は私が1月末には社内プロジェクトを離れることが決まっていますので、私がいなくなっても既存開発メンバーでスクラムが回るようにという目的もありますが)。
DailyScrumのファシリテーションを通じて、スクラムの3本柱をしっかり身に着け、スクラムの価値基準(特に勇気)を実践する場として活用してもらえればと思います。
おわりに
#新米スクラムマスターの思考メモの第4回、DailyScrum編は以上となります。今回も個人的な意見多めでお送りしました^^;
これで、当初私が書きたかったRetrospective、Sprint Planning、DailyScrumについては執筆が終わりました。
残っているのはSprint ReviewとRefinementですが、こちらについては正直なところまだ記事を書くほど経験がありません。私がスクラムマスターとして社内プロジェクトにいるのもあと1か月程度です。その期間で記事を書くだけの経験を得られ、考えがまとまればSprint ReviewとRefinementについても記事を書きたいと思います。
そうでなくても、最後にはこれまでの総括の記事を書ければと思っています。